【徹底比較】3Dプリンターの種類と違い

3Dプリンターに興味がある方、どんな種類があるか調べてるかと思います。出力方法によって多くの種類があります。私も購入当時かなり悩んで調べて、まあまあな時間を費やしました。今回3Dプリンターの種類や特徴を解説し、購入を考えている方にピッタリなプリンターが選択できるよう解説します。

出力方法によって得意分野が違います、またその逆で難点もあります。

目次

3Dプリンターの種類

3Dプリンターの種類について大枠を解説、数多く種類がある中下記5種類について説明します。3Dプリンターの得意分野、できることを知ることで購入する3Dプリンターの選択ミスを防ぎます。

私の場合、構造の理解よりAmazonで調べて購入を決めてしまいました。後々できないことがわかって勉強してから購入すればよかったと後悔しました。

主な特徴を下に示します。個人向けとしてはFDM式、光造形式の2択になります。

  ➊FDM式➋光造形式➌SLS式➍バインダジェット式➎金属光造形式
特徴普及率高い表面が滑らか材料特性を
活かせる
カラー金属使用
得意分野部品フィギア企業向け
試作
企業向け
試作
企業向け
試作
難点表面が荒い廃液処理粉塵対策必要粉塵対策必要
強度低い
金属表面が荒い
材料固体液体粉末粉末金属粉末
オススメ度企業向け企業向け企業向け
出力方式別3Dプリンターの違い

このサイトでは個人使用を目的に発信しています。現状では個人向けとして普及しているのはFDM式と光造形式です。今後普及していくであろう他の方式について理解しておくことは重要です

saba
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安くなったら金属プリンターがほしい!

➊FDM式の特徴

FDM式とは熱で材料を溶かし、積み上げていく方式です。安価なものも多く入門者向け。私も家でFDM式を使っています。また私の会社でもトライ品を作るときによく使います。
一見複雑そうに見える3Dプリンターですが、構造は単純で材料を溶かしながら決められた場所へ正確に積み上げていくようになっています。

FDM式プリンターイメージ

材料を溶かして積み上げるを繰り返して作っていくたえめ出力したものは表面が荒く、3Dプリンターで作ったと一発でわかる見た目になります。フィギアのような見た目が重視されるものではなく、小物や部品として使うのがオススメです。

また溶かして積層しているので通常身の回りである樹脂、プラスチックより強度も弱いです。特に積層方向に対しては力を入れるとポキッと折れる場合があります。スナップフィット(樹脂同士を付けるときの爪)などを設定しても使えない場合や、一回で折れて終了する場合が多いです。

FDM式プリンター・材料・出力したもの ※anycubicから引用

紹介したFDM式プリンターanycubicのリンクは☟

https://www.anycubic.com/

FDM式プリンター比較はこちらから☟

➋光造形式の特徴

光造形式は液体材料にレーザー、紫外線を当てて硬化した材料を積み上げていく方法です。FDM式に比べ表面が滑らかです。材料が液体の為、後処理が必要。

光造形式プリンターイメージ

光造形式は表面がキレイなのでフィギアなどに向いています。FDM式とは全く見た目が違うので出力したものを見れば一発でわかります。ただし材料が液体です。出力後に廃液の処理やプリントしたものを乾燥、プリンターの清掃などが発生しFDM式に対して少し手間がかかります。

現在、プリンターの価格は下がってきており個人向けとしても数多く販売されています。材料費はFDM式より若干割高です。

光造形式プリンター・材料・出力したもの ※anycubicから引用

紹介した光造形式プリンターanycubicのリンクは☟

https://www.anycubic.com/

光造形式プリンターおすすめ5選、最初の1台

➌SLS式の特徴

SLS式は材料が粉末になります。粉末を熱で固めて積み上げていきます。表面はFDM式より滑らかで光造形式より荒い、ザラザラした質感。化学反応させないため、材料特性を残したままの作成が可能。私の会社でも外注でトライ品を作る際に用います。

SLS式プリンターイメージ

製造業の現場でもよく使われます。外注に出すときが多くFDM式でとりあえず作って確認したものにたいし、2回目のトライで材料特性も含めて確認したい場合やさらに精度を高めて作りたい場合などに使う場合が多いです。粉末から作っていることもありザラザラした表面が特徴。FDM式に対しては表面がキレイで光造形式より荒いです。透明な樹脂を使うとつや消しになります。

SLS式プリンター・材料・出力したもの ※Sinteritから引用

紹介したSLS式プリンターSinteritのリンクは☟

https://www.sinterit.com/

➍バインダジェット式の特徴

バインダジェット式はカラーでプリントができる方式です。フィギュアや色を入ったサンプルモデルを作るときに用いられます。粉末から作る方式で強度がなく、部品へ使うことは一般的にありません。

バインダージェット式プリンターイメージ

部品の作成ではなくモックや商品紹介などの際に使うのに適しています。

バインダージェット式プリンター・材料・出力したもの ※3D Systemsから引用

紹介したバインダージェット式プリンター3D Systemsのリンクは☟

https://ja.3dsystems.com/

➎金属光造形方式の特徴

金属光造形式は金属粉末にレーザーを当てて硬化させて形状を作る方式です。まだまだ製造現場で普及してきていない印象ですが、樹脂製品と比べて成形性に不利な金属が自由な形状で作製できるため大きな期待があります。

金属光造形式プリンターイメージ

試作品の組付けなどに限定して使い、製品の評価などには使わないことが多いです。どうしても最終量産品との差が出てしまうので、用途が限られてしまいます。ただし、今後は量産品との差が埋まることで劇的に普及するのではないかと思っています。

金属用3Dプリンター・材料・出力したもの ※3D Systemsから引用

紹介した金属専用プリンター Systemsのリンクは☟

https://ja.3dsystems.com/

3Dプリンターは積み上げ形のモノづくり

ここまで3Dプリンターの種類について説明しました。すべての方式に共通しているのが3Dプリンターは積み上げ形のモノづくりということです。
一般的な製品は削る、型で押す絞るなど削りとって製品づくりをします。樹脂の場合は型で成形。型での生産になると部品1個当たりのコストは下がる一方、金型作成、プレス機、インジェクション(樹脂の成型機)の費用が掛かりそれらを作るリードタイムも必要になってきます。3Dプリンターを導入することで個人でも手軽に製品づくりをすることができます。

一般的な型での作成方法と比較
3Dプリンターメリットとデメリットを解説

まとめ

出力別の特徴を知り、3Dプリンターの購入に役立ててください。現状は個人向けとしてはFDM式と光造形式の2択だと考えています。ただし今後はますます3Dプリンターが普及し他の方式も安く、使いやすくなってきます。

また、どうしても金属でプリントしたいときは出力サービスをやっている会社もあります。その際にプリンターの構造の特徴やプリントした本体の特徴を知っておくことが重要だと考えています。

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この記事を書いた人

30代、妻、子供2人、製造業サラリーマンです。本業も趣味もモノづくりな私が文章を書く楽しさに目覚め、モノづくりの記録をしていくことにしました。

自宅に3Dプリンターを導入、3Dプリンターを通してモノづくりの可能性を追求。将来は自宅を工場にするのが夢です。

Twitter、Instagramもやってます。
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