【CAD】就職に資格は必要?現役エンジニアの考え

  • 独学でCAD、CATIAを勉強しようと思っています。就職に使えますか?
  • 職業訓練所でCADを学びました。就職に有利な資格はありますか?
  • CAD、CATIAの習得は難しいですか?

製造業界未経験の方がCADの学びかたを調べると、検定資格の情報と無数の教育スクールが見つかります。何も知らないまま受講してしまうと多くの時間とお金を費やすことになってしまいます。

モノづくりが好き、図面や3Dが自由にかけたらかっこいいなと考える方も多いでしょう。実際にCAD設計の現場の働き方を知らないと遠回りしてしまうことがあります。あなたはムダに資格を取ろとしていませんか?

私は10年以上自動車業界の設計士として図面や3Dを作製してきました。これまでのCAD(CATIA)ができると言って中途で入ってきた方を見てきました。また、実際に自分でも転職活動をした経験があります。

saba
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面接すると
求められている人材がわかる。

ここではCADを使った仕事をしていきたい人に向けて現場の考えをお伝えします。

この記事では業界で働く為の本当のスキルをお伝えします。一般的な転職サイト表面的な解説より参考になると思います。

私の考えはCAD(CATIA)のスキルを学びたいなら就職してしまうのが一番だと考えています。全くCADを使えない人が業界を生き抜いていく為のステップを解説します。

私の考えはCAD、CATIAのスキルより設計スキルを重視するべきだと考えます。

私が考える設計スキル

  • 材料の知識や力学を使って考えるスキル
  • 製品の作られ方を踏まえて、構造を考えるスキル
  • 図面ルールを守り、図面を描ききるスキル

そして設計スキルを身に着けるにはやはり現場にでること(就職)することが最短距離です。

目次

CAD資格とは

私は資格が不要だと考えています。とはいえどんな資格があるかを知っておくことは不要と判断するためには必要です。

CAD資格の種類

CAD関連の資格はたくさんあります。その中でも3つの資格を紹介します、使われている業界やソフトが異なります。

  • 建築CAD検定
  • 2次元CAD利用技術者試験
  • 3次元CAD利用技術者試験

それぞれ3つの資格はCADスクールでは有名なのかもしれませんが、実際に資格保有者にあったことがありません。

資格を否定する訳でありません。資格を持っていることで確実にツールを使いこなせるという証明にはなります。あなたの職場にExcel検定の資格をもっている人はいますか?
資格を持っている人は確実にExcelのスキルは高いです。ただしどうやってExcelを使うかの方が重要だと思います。

業界とCADの資格、業界で使われているソフトをまとめました。

資格×CAD種類×業界比較表

どんな試験か

一般的な試験とは違い、試験にはパソコンとCADソフトが必要です。また、CADのソフトはそれぞれ個人で使っているものを使用することができます。(一部対象外あり)

最終的な答えが同じであれば過程や使うソフトはなんでも良いということです。

★★★試験概要、試験要項、費用の表★★★

なんの為の資格か

資格を取ると何のためになるのでしょうか。資格を取得することで図面や3Dが作成できる証明になります。

ただし、問題はそれぞれの資格があまり知られていません。その為、本来の図面、3Dがどこまでできるか聞いた相手がわからないというのが現状です。

saba
saba

そもそも
資格とってる人聞いたことない。

CADを使った働き方

CADを使った働き方には大きく分けて2種類の方法があります。

働き方

働き方仕事内容求めらるスキル
設計士製品の設計から
図面・3D化
考えるスキル
トレーサー設計士の指示に従いの
図面・3Dを作成する
コピーするスキル
働き方×仕事内容×求められるスキル

設計士として働く場合はCADを使うのは入社して1~2年程度です。その先は部下や後輩に指示を出し自分で使うのは急を要するときのみです。

saba
saba

最近まったく使わない。

次にトレーサーとして働く場合は、作成の指示をもらい正確に形状や図面を作成します。CADを使いこなすスキルが要求され。一日中CADを使った仕事をします。

私がいる自動車業界ではトレーサーはあまり求められおらず、純粋にトレーサーとして働いている人はいません。熟練のCADのプロで一日使っている人もいますが、CADプロは漏れなく設計スキル、製品の要件も熟知している人です。

給料

CADを使った業種の平均年収を比較してみました。

★★★年収比較表★★★

ライフスタイル

ここでは私の働く自動車業界での一日のライフスタイルを紹介します。

saba
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一緒に働く
上司とCADで働いてる人も観察してみました。

★★★ライフサイクル★★★

ここで紹介したのは一例です。製品の設計に関わる設計の場合、忙しさに波があります。つまり発売間近や何かのイベント前は終わるまで死に物狂いで仕事をします。

就職にCADの資格は不要

資格がいらない理由は4つあります。

  • CADだけ使えても設計はできないから
  • CADは進化し、会社ごとでカスタマイズしているから
  • 使用しているCADソフトが変わる可能性があるから
  • そもそも資格が認知されてないから

まず、製造業の現場では純粋なトレーサーは求められていません。なぜならCADの能力だけがあってもその分野の要件などがわからず、データ作成ができないからです。

またCADは製品をつくるための道具です。それぞれの会社で使いやすいようによく使う機能や、時間がかかってしまう作業はカスタマイズして自動化しているものもあります。
さらに、よりよいソフトがあれば違うCADソフトに乗り換えることもあります。

もそも資格自体が認知されていません。これまで10年以上自動車業界の設計として働いてきましたが、資格持っていいると聞かれたこともありませんし、資格を持っていると言っている人も聞いたことがありません。

saba
saba

転職活動をしていた時の
面接でも聞かれなかった

それでもCADスキルを付けるには

それでもCADのスキルをつけて働きたいそう考えているあなた。

saba
saba

いいですね!

私の考えはCADのスキルを身に着けるには就職して仕事としてスキルをつけていくことが重要だと考えています。

なぜなら実際の製品の図面や3Dを作ることで、描いた量によってスキルが上達していきます。製品設計を行っていくの一筋縄ではいきません。何度もやり直し、上司にダメ出しされ、納期に追われ、各種要件を満足し、やっと世の中に出回ることのできるデータが作れるようになります。

しかし、独学やスクールでスキルが身につくでしょうか。納期もなく、制約もありません。いくら時間を費やしたところで現場で付けたスキルとは違います。

したがってCADスキルをつけていきたいのなら、まず設計の業界に飛び込んでいくべきです。

それでも独学でCADスキルをつける方法

それでも何とか独学でスキルをつけたい。武器がほしいと思っている方もいると思います。実際にCADを使って仕事している私が独学するとしたらどういった方法がいいかを考えてみました。
就職活動で独学でのCADスキルをアピールしても評価をされることはないと考えた方がいいです。ただし独学するほどモノづくりが好き、CADが使いたい、そんな気持ちは伝わります。製造業界に携わる人はそういう人が嫌いじゃないです。独学したことを伝えることは確実にプラスになります。

  • 無料CADソフトで簡単な操作を学ぶ
  • 就職したい分野の製品の作り方を学ぶ
  • 図面の書き方を学ぶ

業界によって使うCADソフトは異なります。操作方法やコマンドは違いますが作成する手順や考え方は同じです。最終的な到達点は同じため、CADとはどんなふうに描くかを大まかに勉強しておくことは無駄ではありません。

CADのスキルを身に付ける上で重要なこととして、扱う製品の作り方を学ぶことです。細かいノウハウを身に付けることは難しいですが、基礎的な本や図解本などで扱う製品のことを知ることで、CADを使う上で有利になります。
何かわからないけどCADの操作ができますという人より、製品の作り方を理解している人の方がCADを操作していく上で有利になります。

最後に図面の書き方を学んでおくことです。ここに関しては基礎知識は確実に身に付けおくことが重要です。図面を書かせて線の種類がおかしかったり、三角法が間違ってたりすると何も知らないと思われしまいます。製造業界で仕事をしたいのであれば簡単な図面の書き方は理解しておくべきです。図面を描くスキルはCAD業務の一環と考えて問題ありません。今は手書き製図する人はいないです。

saba
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業界や会社ごとで図面も違いますが、

一般的なルールは理解しておきましょう。

CADスキルなしで就職する方法

私が面接官だとしてCADスキルがない人でも採用したい人を考えてみました。私が一緒に働きたいと思える人です。

  • 製品の成り立ちを勉強している
  • 製図の基礎を知っている
  • 業界が好き、モノづくりが好き

これまで説明してきた通り製造業界の人にCADの資格は認知されていません。逆にいうとCADスキルを証明することは難しいです。
CADが使えると言ってたのに全く使えない人や、その逆も結構います。やたらCADスキルをアピールしても細かいところを聞かれるとボロが出ます。実務経験がないのであれば”使い方は知っている”
程度のアピールでいいと思います。

CADスキルに対し、製図の基礎は不変的である程度企業差はありますがJIS、ISOで決められたルールがあるためどこに行っても通用します。勉強しておいて全く無駄になりません。製図基礎は知ってますとアピールできると確実にプラスになります。

最後に一番重要なことが業界が好き、”モノづくりが好き”をアピールすることです。やはりここが一番重要です。ちょっとしたスキルがあっても仕事を嫌々やってる人と、遅いけど楽しそうに一所懸命にやっている人、誰が考えても一緒に働きたいのは後者です。
実務経験がないのであれば下手にCADスキル等をアピールするのではなくモノづくりに対する考えを熱を込めて話すことが重要です。具体的な事例を含めてモノづくりが好きだとアピールしましょう。

製造業を目指している就活者へ伝えたいこと

最後に私と同じ製造業で働きたいと考えている方へ伝えたいことがあります。私は自動車業界で開発設計業務を10年以上経験してきました。図面を出す期限間近やデータ提出期限などでは手汗をかきながらぶっ通しで作業し、複数の部品に追われながらも仕上がらない。ダメ出しされる夢を見ることもありました。

納期に追われ、CADを使う使わないに限らず設計業務は激務であることが多いです。ただしその分やりがいが有り、自分が計画し考え、時にはダメ出しされながらも最後に形にした製品を見るといくつ作ってもうれしいものです。

一緒に働くなら業界が好きだ、モノづくりが好きだと語るそんな人と一緒に仕事がしたいです。面接官や履歴書にもその気持ちは伝わります。スクールに通ってCADを勉強したのでそれを活かして・・・のような”就職に有利と思ったので”的なことは言わないように気を付けてください。

CADや設計業務は実際に現場でやっていく中で身に付くことが多いです。スクールに大金を払うぐらいならまず業界に飛び込んでくることをオススメします。お金をもらいながらスキルを身に付けましょう。モノづくりが好きな方、とにかく一歩踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

30代、妻、子供2人、製造業サラリーマンです。本業も趣味もモノづくりな私が文章を書く楽しさに目覚め、モノづくりの記録をしていくことにしました。

自宅に3Dプリンターを導入、3Dプリンターを通してモノづくりの可能性を追求。将来は自宅を工場にするのが夢です。

Twitter、Instagramもやってます。
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